【現役消防士が解説する】消防士の昇任試験対策

民間/消防士/学生から消防士へ
入ったばかりの新米消防士
入ったばかりの新米消防士

「救急救命士資格を取得したあと、消防士になりました。

消防士の給料は低いと聞くけれど、いつ頃から給料も上がってくるのでしょうか?

”人生はやりがいも大切”だけど、生活のためにお金だってもらえないと。

給料アップさせるために昇任しなければならないと思っています。消防の昇任試験について教えてください。」

こういった本音を語る新米消防士の質問に答えます。

本記事の内容

【大規模消防の救急係長 出動件数の多い消防署】は年収1000万円も狙える

消防士の昇任試験について

消防士の昇任試験対策

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【大規模消防の救急係長 出動件数の多い消防署】は年収1000万円も狙える

1000万プレーヤーとはいわずとも、高収入ならモチベーションにはつながる

リアルな現役消防士の年収を知りたい! 1000万円を狙えるのか?について深堀りした記事はこちら。

>>救急救命士の年収は?【30代救急救命士の金額を公開】

そのためのアプローチ法として、「昇任すること」はひとつの欠かせない要素と言えます。

ただし、「昇任すること」だけにコンセプトをおいてしまうと、“なぜ昇任試験を受けて階級をあげるのか”という本質的部分とかけ離れていく危険が懸念されます。

・年収アップ = モチベーション向上

これだけでは、最適解にはなりません。昇任試験を受験するに際して以下のことは考えなくてはいけません。

・階級をあげたことで責任のある立場となる

・自分のことはもちろん、チーム(係)全体のことを考えなくてはいけない

つまり、立場はかわって“部下をあずかる立場”となるのです。その立場になるからこそ自分のことだけを考えていてはいけません。

例えば、

・各係の抱える課題を係長として解決していく。

係の長として、抱える課題を見抜き、解決に向けてアプローチしていくことが望まれます。

具体的には、係内の人間関係の不仲、不祥事対応(パワーハラスメント、セクシャルハラスメント)などです。

とはいえ、生理的に受けつけないという人や、“性癖“のように、言ってどうこうなるレベルのものではないものもあります

ですので、できる限りの対応を講じていきましょう。

どんな職場でも、ひとが悩むのは人間関係がメインです。

・担当者会議への出席

・各署所の係長として外部機関への出席

・症例検討会の座長依頼

・部下間の人間トラブル回避のための隊編成

など救急出動以外の部分でも、やらなければならないことを多く求められます

ですので、結論として「自分の利益だけを求めていてはいけないですよ。下手をすれば、誰もついてきてくれなくなって苦しい立場になってしまいます。」ということを言いたかったのです。

いいかえれば、“人望”とか“信頼”を得られるように行動していく。これがないのに年収1000万円のために係長を目指すのは、あまりおすすめできません。

このことを理解して、行動するようにしましょう。

前置きを長くしてしまいましたが、救急係長を目指す原動力として“年収が上がる”というのは非常に大きなモチベーションとなります。

しかし、先に話した内容を知らずに行動していった結果、苦しい思いをしてしまっては不憫であると思ったからです。

わたしの上司でも、お金の話を何かとしてくる方がいました。

例えば、救急出動から帰署した後に

「これ以上はお金がつかないから、事務はやらないよ」

と、どんなに救急出動の書類が溜まっていても事務作業を行いませんでした。

そういう姿を見てしまうと、「この人はお金のことしか考えていないのだな・・」と周囲の印象も悪くしてしまいます。

また、一日を通して出動から帰れなかったり、食事を時間通りに摂れなかったり、夜通し出動して一睡もできなかったりと身体も精神も酷使することが多いです。

つまり、楽な仕事ではありません

そういったことを含めて、知ったうえで救急係長を目指さなければならないことを理解しておきましょう。

救急係長を目指す心得

・自分の利益だけを追求した行動ではなく、周囲のことを考えながら行動できるようにする

・責任ある立場になる。自分の行った言動には注意する

・救急出動で食事が時間通りに摂れなかったり、夜通し出動で寝られないケースもあり、過酷な環境でもあることは心得ておく

救急係長になりたいなら昇任試験を受けなければならない

そういった前提を知ったうえでも、救急係長を目指すという方は昇任試験を受けなければなりません。

そのために、何をしておけばいいのか。何を知らなければならないのか。こういった部分を学んでおかなければなりません。

ここからは、その解決方法をレクチャーしていきます。

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消防士の昇任試験について

消防士の昇任試験は、一般教養と専門知識の掛け合わせです。

これまで行ってきた公務員試験の延長のように、教養としての勉学と、消防士ならではの専門性を追求した勉学を必要とします。

これらをバランスよく勉強していくことで昇任試験クリアに取り組みます。

具体的には、

予防、予防(消防用設備等)、予防(危険物)、警防、火災調査、救助、機械、消防組織、防災、救急、救助などに別れています。

これらをそれぞれ各個に勉強しなければいけません。

つまり、自分の配属されている仕事とは別の勉強もしなくてはいけないのです。

一例

・救急隊配属を受けて業務をしている消防士→予防の勉強をする。

・総務課配属を受けて業務をしている消防士→警防の勉強をする。

これは大変です。つまり畑違いの業務をしなくてはいけないのですから。

このように消防士の昇任試験は幅広い分野に精通していなくてはならないのですl。

とはいえ、消防士になった以上に業務はひとつではありません。

それはたとえ救急救命士として消防署に入ったとしても配置替えによって平気で救急隊から外されてしまうケースも多く散見されます。

ですので、困ったことが起きないように“準備“が大切です。

昇任試験の種類

昇任試験は種類がわかれます。

消防副士長昇任試験 

消防士長昇任試験 

消防司令補昇任試験 

消防司令昇任試験

つまり、階級に合わせて試験を設けているというわけです。

とはいえ、誰でも試験を受験できるわけではありません。例えば、「消防士○年以上務めた経験がある者」など、勤続年数が関係してくる場合もあります。

勤続年数についても、各消防本部で取り決めは異なります。

ホームページでも掲載されている千葉県柏市の昇任制度を参考にしてみてみると

消防士

消防副士長

消防士長

消防司令補

消防司令

昇任制度❘柏市役所

階級を上げるために受けるのが”昇任試験“です。

消防士の世界はまさに階級社会です。

消防司令、消防監、消防正監は全職員数でも10~15%程度しかいません。

消防司令以上は、日頃の勤務態度、勤務成績などを評価して決める「選考制」によって決められます。

但し、ここも東京消防庁をはじめとする一部の地域では、「選考制」ではなく「昇任試験制」をとっている場合もあります。

試験の受験資格は以下のとおりです。

(柏市の場合)

試験種別受験資格
消防司令試験・消防司令補として勤続年数が5年以上の者
消防司令補試験・消防士長として勤続年数が2年以上の者で、かつ、職務の級3級在級年数が3年以上の者
消防士長試験・消防副士長の階級の者 ・消防士として勤続年数が、以下の年数を満たす者  上級職は、4年以上の者  初級職は、6年以上の者
昇任制度❘柏市役所

(消防士として勤続年数が10年以上の者で、かつ、勤務成績が良好なものは選考により消防副士長へ昇任とする。)

まとめると

昇任試験のまとめ

・昇任試験は勤続年数、階級によって受けられる試験が変わってくる

・基本的に階級アップする際の試験である

・試験はすべての階級にあるものではなく、消防司令、消防司令補、消防士長の各昇任試験で行われる

(自治体によっては消防副士長試験を設けているところもある)

こういった点が昇任試験の種類です。

すべての試験で行われるものではないことも知っておきましょう。

昇任試験の内容

昇任試験の内容は以下のようなものが一般的です。

・消防士長試験

第1次試験‐筆記試験

第2次試験‐実科試験、面接試験(個人面接)

・消防司令補試験

第1次試験‐筆記試験

第2次試験‐実科試験、面接試験(個人面接)

・消防司令試験

第1次試験‐筆記試験

第2次試験‐実科試験、面接試験(個人面接)

昇任制度❘柏市役所

ここでは実科試験と記載していますが、内容は各消防によって違いがあるかと思います。わたしの消防では“論文試験“でした。

というのも実科試験をするとしても、各分野にわかれて業務を行っています。総務、企画財政、予防、警防、救助、救急などです。

つまり、一貫した試験を行い、公正に判断するために必要な試験内容にしなくてはいけません。

ですので、実科試験は誰もが公正に評価できる内容が望ましいと考えられます。

例えば

・「救助資器材取扱訓練」が実科試験だと、救助隊や救助に精通した職員の方が有利な結果に

・「救急総合想定訓練」が実科試験だと、救急に精通した職員の方が有利な結果に

こういったことが生じてしまいます。

ですので、実科試験を行うとしても、公正性を保てる内容が望ましいです。

わたしの知る限りでは、論文試験である消防がほとんどでした。

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消防士の昇任試験対策

消防士の昇任試験対策は3つです。

筆記試験

論文試験

面接試験

これらの対策です。

筆記試験対策

筆記試験対策は、“消防昇任試験対策問題集 + 過去に提出された問題“を勉強することをおすすめします。

なぜなら、一定の公正性を保てると考えられるからです。

問題作成する人
問題作成する人

「今年も昇任試験を作成しなければ。でも、一から作るのはものすごい大変。しかも、専門分野ではないところの問題とか、どういったレベルの問題を作成すればいいかわからないな。

・・・過去の問題ってどうやって作っていたのだろう。」

ここで、問題作成する側の思考を考えると、以下のようなことが予想されます。

・問題作成したいが分野が幅広い

・一から作るのでは、時間と労力がものすごくかかる

・公正さが保たれた問題を作成しなければならない

つまり、そういった思考から行き着く先は、過去問なのです。

これは、各試験と同じです。ある程度、問題を作成するときは、「問題の型」を知らなければいけません。

そのため、過去の問題の骨子を参考にして、分野に偏りを作らず、公正性を保てる内容として作成します。

ですので、基本的には「過去問を勉強する」です。

とはいえ、過去問は配布されないから確認できないという職場環境もあるかもしれません。

わたしの所属していた職場では、現在も配布されることはありません。

そのため、参考とするのは消防昇任試験対策問題集です。

各分野の問題が網羅的にされています。そのため、勉強に励む際に非常に役立つのです。

実際に、消防昇任試験対策問題集から出題されたであろう問題を、試験を行っていた中で散見しました。

これは、消防署に現役で勤めている息子も同じことを話していたので、消防昇任試験対策問題集を参考にして問題作成している可能性は濃厚です。

各自治体で問題の傾向は異なるかと思いますので、過去に出題された問題の傾向を先輩から教えてもらい、対策するのは忘れずに行いましょう。

おすすめの書籍の書籍を紹介します。

というか、この2冊から問題の大半が出題されていたとの情報も流れる年もありました。(わたしの所属していた消防の話ですが・・・)

お金をかけたくない方はこちらをどうぞ。関連記事>>消防士の昇任試験問題【徹底的に解く!】

論文試験対策

論文試験対策は、消防論文試験対策本を通読し、論文の型を覚える

これが重要です。

なぜなら、論文を書くのに対して、一貫性があるかどうか、自分の意見が組み込まれているか、文章の表現は適切かなどを評価されるからです。

そのため、まずは論文を書き慣れることが必要です。

・どういった点に注意すべきなのか

・よく使う言い回しはあるのか

・テーマの傾向はどのようなものが多いのか

これらを知ることで対策することができます。

とはいえ、どのテーマが今回の論文になるかは、当日になってみないとわかりません。その点については、日ごろから消防行政に関わる時事問題に目を向けておくことが求められます。

具体的なテーマの一例

・消防職員の行き過ぎた指導(パワハラ問題)

・公務員の不祥事

・職場での適切な後輩指導について

・救急出動件数の増加に伴い、今後はどのような対策を行うべきなのか

・地球温暖化に対して活動の対策としてどのようなことが求められるのか

上記のようなテーマについて、アンテナを高めておきましょう。

論文試験対策ならこの書籍がおすすめです。最適解とダメ解答をビフォーアフター形式で紹介してくれます。

論文試験対策のまとめ

・論文試験対策は、消防論文試験対策の本を一冊購入して、論文の型を覚える。

・消防に関する時事をしっかりとサーチする。

消防の論文試験は概ね60~90分で、800~1200字程度で行われます。

面接試験対策

面接試験対策は、時事問題の把握 + 所属する消防の課題 + 母体となる自治体の課題を把握すること。

これが重要です。

ここは、元消防士の方が書いたブログ記事にもあるように、

通常の昇進試験においては、

・昇進試験後のビジョン

・マネジメント能力

・リスク管理能力

・トラブル対応力

など

筆記試験では測れない、人間性・スキルなどを評価するものだと思います。

人間性を評価するものであるべきだと思います。

元消防士が語る消防の実態

しかし、残念ながら、質問された内容というのは、

・市の人口は?

・消防法第一条を朗読しなさい。

・昨年の救急件数は何件?

など…

元消防士が語る消防の実態

この方のブログと同様でした。

それを知っていて人間性を評価できるのかと残念に思ったのは事実です。

これだけでは、その人の人間性や考えていることは把握できるものなのかと思ってしまいます。

この方が書いている内容は「的を得ている」と感じてしまいました。

今後の消防を変えていくためにもメスを入れて、消防士の人格部分にも、もっと目を向けるべきなのだと感じています

とはいえ、愚直に合格を目指すためには上記した

「時事問題の把握 + 所属する消防の課題 + 母体となる自治体の課題を把握」

これらの把握に努めましょう。

面接試験対策のまとめ

面接試験対策は、論文試験と同様に時事問題を把握しておくこと、所属する消防のこと、母体となる自治体のことを把握しましょう。

面接試験は概ね15分~20分程度で、筆記・論文試験とは別日に実施していました。

まとめ:愚直に昇任するなら昇任試験も意識して日々の生活を過ごそう

今回は、救急救命士、消防士の昇任試験対策と題していろいろと話しました。

若い人ほど「消防士の給料は低いからモチベーション下がる」とか思う方も少なくありません。とはいえ、階級社会の仕組みを活かして、若いうちに昇任すれば、給料もあがります

とはいえ、責任も負担も高まるのは間違いないでしょうが、前向きに「昇任を目指して給料を上げる」ために努力するのも大切なことであると思います。

それに加えて今後は、成果主義が益々導入されてきています。

つまり、成果さえあげれば給料に反映される仕組みが消防の社会にも組み込まれていくのです。

年功序列社会の消防が変わっていくかもしれませんね。

今回は以上です。

消防の昇任試験問題を実際に解いてみたい方は、こちらをどうぞ。

関連記事>>消防士の昇任試験問題【徹底的に解く!】

コメント

  1. […] 以前、消防士の昇任試験対策においても触れましたが、試験対策をすることで、整った論文内容になりますね。 […]

  2. […] […]

  3. […] […]

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