救急救命士国家試験15問テスト!!(毎日更新中)

救急車・消防車の日本光電AEDパッド【乱雑でわかりにくい機種と対応パッドを整理】

救急隊員のスキルアップ

消防士 「わたしの職場(消防署)には複数のAED、半自動除細動器があります。救急車、消防車、救助工作車など、それぞれ車載されている機種が異なり、年式も違って、扱えるAEDパッドが異なります。AEDパッドの見分け方を教えてください。」

今回の記事はこんな話を息子から聞いて執筆しました。

質問した先輩 「職場にはAEDが複数置いてあるのね。メーカーが違うのなら、種類も大きく違うから迷うこともないけど、日本光電は種類が数種類あってわかりづらいよ。わかりやすく見分けする方法はないの?」

「特に迷う場面ってありますか?」

質問した先輩 「消防車と救助工作車は日本光電のAED3100、AED3150が車載されていて、救急車積載の半自動除細動器のTEC-2601、TEC-2513が車載されています。互換性のあるパッドと互換性のないパッドがあるので、合わないパッドとかいろいろと分からなくなってしまうんだ。」

「じゃあ消防車と救助工作車で車載されているAEDのタイプは異なるようですね。それで購入した時期が違うから、使えるパッドもバラつきが生じているようですね。」

質問した先輩 「そう。消防車と救助工作車で違うよ。確かに。購入した日は違っているし、形状も若干違っているよ。」

「やはりそうですか。わかりました。そうしたらAEDのタイプと半自動除細動器との互換性を表にしてまとめましょう。そうしたらわかりやすいですよね。」

質問した先輩 「いいね。お願いします!」

わたしは消防署で長く勤めてきました。

AEDパッドは心肺停止傷病者に対して取り扱うために必要な資器材です。

これなくして人を救うことはできないので非常に重要です。

救急隊をやっていて知らない人はいないでしょう。

ただし、そのAEDパッドで困っている消防士の悩みがあったので、わたしの知っているAEDパッドのことで悩んだことを紹介します。

今回の記事作成は、現役で消防士(救急救命士)として働いている息子からの情報を元に記事執筆しています。

それではいきましょう。

本記事の内容

消防署によってマチマチなAED・半自動除細動器

・種類が多くて悩むのはAEDパッドの取扱い

・救急現場で困ったこと

・【主流パッド】日本光電のAEDパッドの互換性をわかりやすく表で解説

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消防署によってマチマチなAED・半自動除細動器

わたしの知っている消防では、消防署によってマチマチなAED・半自動除細動器です。異動などした場合は、別のAEDが車載されていることもあるので、取扱いには注意が必要でした。

なぜ、このようなことが起こっているのでしょうか?

正直なところ、

どこの署所でも同じように使えるAEDパッドのほうが操作も統一されていいのでは?

と思う方が多くおられるかと思います。

そこには理由があるので説明します。

種類がわかれる理由 “メーカーの一斉リコール発生した場合の安全策”

この理由として、メーカーの一斉リコール発生した場合の安全策が挙げられます。

なぜなら、メーカーで出している商品に不具合が生じてしまった場合の対応に苦慮するからです。

AEDパッドを扱うAEDも半自動除細動器も、傷病者に対して使用するものであり、命にかかわる場面で登場します。

救急資器材の不良で助かりませんでした」とするわけにはいきません。

そういった事態に陥らないようにするため、代替え機を準備するのですが、これが統一した機種で対応していた場合、スムーズに対応することもできません。

ですので、“統一したメーカーで統一したAEDパッドを使用する“というのも、リスクを伴うのです。その点は覚えておきましょう。

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種類が多くて悩むのはAEDパッドの取扱い

種類が多くて悩むのはAEDパッドの取扱いです。

このAEDパッドの取扱いで困るのは、“同じメーカーで使えるパッドが異なるケース”です。

では、そうでない場合は困らないの?と質問が出てくるかもしれませんが、

例えば、Philips社のAEDパッドと旭化成zollのAEDパッドを取り扱う署所があったとしても、基本的には“パッドの入っている袋から取り出して、傷病者の右胸と左わき腹に貼り付ける”だけです。この基本的な動作は変わりません

つまり、異なるメーカーであれば迷わないということです。

   

一例

・先着消防隊がCPA(心肺停止傷病者)対応したケースで、消防隊はAED(Philips社製)で解析を行い、心肺蘇生法を開始した。そこに半自動除細動器(旭化成zoll社製)を車載した後着の救急隊がコラボした

・テニスコート内で急に胸をおさえて倒れた。呼吸も脈もないため施設備え付けのAED(日本光電社製)を装着して除細動メッセージを確認、除細動を実施した。そこに半自動除細動器(旭化成zoll社製)を車載した後着の救急隊がコラボした

これらのようなケースでは、明らかに機種が異なりますので迷わず、パッドを一度はがして、波形確認を行います。

ですので、迷うことは少ないのです。

しかし、メーカーは同じであれば、使えるAEDパッドが異なるケースであると時間のロスが発生してしまうのです。

なぜ、このようなことが起きているのかをこれから解説しようと思います。

同じメーカーでも使えるパッドが異なる理由 “購入日・機種の違い”

結論から話すと、購入日と機種の違いがあるからです。

✓購入日が違う

購入日が違うというのは、AED購入に関して計画的に実行されていきます。そのため、各AEDで購入年月日は違ってきます。

そのため、新機種のAEDが導入された際に、新機種に対応したAEDパッドも違ってくることが考えられますそれが同じメーカーであってもです。

ですので、ここで同メーカーにもかかわらず使えるAEDパッドが違ってくる状況が生まれるのです。

まあ互換性を考えた購入をしていくことが、もっとも効率的ではありますが、なかなか思うような購入はできないのかなと思います。

✓機種が違う

機種が違うというのは、各AED、各半自動除細動器がそれぞれの緊急自動車にバラバラで載っていることが原因です。

各緊急自動車において、統一したAED、半自動除細動器を購入できればいいのですが、新機種には、”旧型より機能の向上した新製品”になっています。

ですので、“同じ型“のAEDパッドを継続して購入し続けるのは難しいのかもしれません。

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救急現場で困ったこと

AEDパッドを使うときに救急現場で困ったことを挙げていきます。

AEDパッドを使う場面というのは、先に伝えたように“急いでいる緊迫した場面“です。

そのため、一刻も早くパッドを貼り、心電図解析を実行しなくてはいけません。

例を挙げてみます

・消防隊車載日本光電のAED-3100で、AEDパッドを貼付。波形チェックした。

後着の救急隊が半自動除細動器(TEC-2601)を持ってきて、AEDパッドのコネクターを付け替えようとしたが接続できず、結果的にAEDパッドを貼り直したため波形チェックまで時間を要してしまった

このようなケースです。

ここではディスプレイ(心電図表示)のないタイプのAED-3100では、波形チェックできません。そこはいち早く貼り直して波形チェックはしたいところ。

「同じ日本光電のAEDパッドだから、このまま行ける」そう思って接続コネクターを付け替えても、反応しないというパターンはよく話を聞きました。

これは、施設などに取り付けてある日本光電AEDも同じタイプ(ディスプレイなし)が多いです。

そこで、次の章では簡単に見分けるポイントを解説します。

【主要パッド】日本光電のAEDパッドの互換性をわかりやすく表で解説

先に簡単に見分けるポイントをお伝えすると、コネクタの色がオレンジ色である場合は半自動除細動器しか使えません

ですので、AEDと半自動除細動器と両方使えるのは黒コネクタのものです。

    

注意点としては黒コネクタであっても、P-530シリーズには使用できないので、使用現場で確認が必要です。

またP-530はAED-2152、2151、2150、2100しか使用できません。

つまり、AEDの中にも使えない機種があるのです。

その点にも注意してください。

P-530

パッド種類対応機種互換性・その他特記事項
使い捨て除細動パッド P-740AED-3151/3150/3100/2152/2151/
  2150/2100

TEC-2500/2601/2603/5500/
  5600/7700/8300
AEDから半自動除細動器への付け替え可能なパッド
使い捨て除細動パッド P-730AED-2100/2150/2151/2152

TEC-2300/2500/2601/2603/
  5600/7600/7700/8300
AEDから半自動除細動器への付け替え可能なパッド
使い捨て除細動パッド P-530シリーズ(P-530、P-531)AED-2100/2150/2151/2152

TEC-2300/2500/5500/7600/7700
AEDから半自動除細動器への付け替え可能なパッド。 ただし主力製品であるTEC-2601、2603には使用不可
使い捨て除細動パッド P-700シリーズ(P-711:成人・小児・乳児用)TEC-2300/2500/2601/2603/5500/
  5600/7600/7700/8300
半自動除細動器のみの使用 P-721との違いは使用環境温度(-5℃から50℃まで)
使い捨て除細動パッド P-700シリーズ(P-713:乳児用)TEC-2300/2500/2601/2603/5500/
  5600/7600/7700/8300
救急現場では基本的に使用しない
使い捨て除細動パッド P-700シリーズ(P-721:成人・小児・乳児用)TEC-2300/2500/2601/2603/5500/5600/
  7600/7700/8300
半自動除細動器のみの使用  
使い捨て除細動パッド P-521:成人・小児用、コード長 2.5mTEC-2300/2500/5500/5600/
  7600/7700/8300
半自動除細動器のみの使用  
使い捨て除細動パッド P-511:成人・小児用、コード長 1.5mTEC-2300/2500/5500/5600/
  7600/7700/8300
半自動除細動器のみの使用 P-521との違いはコード長

 

【注意事項】

・AEDからTECへパッド接続は可能。しかし、TECからAEDへの接続は不可(薬事法で決まっている)。

・日本光電のホームページだけでは、詳細が記載されていませんでした。取扱説明書(PDF)を参照して「本品と組み合わせて使用可能な医療機器」の欄を確認して上記の表を作成しています。

【参考】

【一例】

・支援隊のAEDから救急隊のAEDへの接続は可能

✓代表的なAED

AED-2150シリーズ

※P-740パッド使用可能/半自動除細動器と互換性あり/ P-530パッド使用時は注意

AED-3100シリーズ

※P-740パッド使用可能/半自動除細動器と互換性あり

✓代表的な除細動器

自動体外式除細動器 TEC‐2601(P-530パッド使用時は注意)

https://www.nihonkohden.co.jp/iryo/products/resp_resus/def/tec2601.html

半自動除細動器 TEC‐2603(P-530パッド使用時は注意)

救急車のAEDについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!

まとめ:日本光電のAEDパッド

日本光電のAEDパッドについて解説してきました。

こういう状況になるのも、時代の変化によって生じています。

消防では、“なんでも購入していい”というわけにはいかず、必要なものを予算どりして購入します。

ですので、購入したAEDなども大事に使った上で、新しくしていくのです。

その中で、互換性だけを考えて購入できるわけでもなく、同じメーカーでもそれぞれの機種に対応したパッドを購入しているのが現状です。

また、施設のAEDを使用したバイスタンダーによる心肺蘇生しんぱいそせいの合ったケースでも、施設のAEDがP-530を使用している可能性もあるので、パッドの確認は怠らないようにしましょう。

今後は、徐々に機種も新しくなって、パッドの貼り直しは減少するかもしれません。

ただ、現状ではさまざまなケースを想定して活動することが必要ですね。

今回は以上です。

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