- 救急隊の仕事って大変そう…
- 救急隊を目指してみたいけど、なった後に「こんなはずじゃなかった」とはなりたくないな…
- 救急隊になるにあたって、これは知っておいた方がいいことがあれば教えて…!
救急隊になるのも大変ですが、なった後も色々と知っておかないとつらい思いをしてしまう可能性があります。
知らずになってしまうと「こんなはずじゃなかったのに。救急隊はこんなこともしなくちゃいけないの…?」
という状況に陥ってしまうことはよくあります。
そこでこの記事で、救急隊の仕事でつらい/大変だったことを紹介します。
この記事に書いてあることを参考にして、自分がそういう事態に陥った時に対応できるのか、現状で失敗しないのか把握できるはずです。
- 救急隊の仕事でつらかったこと・大変だったこと5選
- 人口20~30万都市の救急隊リアル【基本的なこと】
- 【番外編】仕事以外の救急隊ストレス
- 【HOTなストレス】感染リスク
- じゃあ、救急隊員として働いているメリットは?
- 【救急隊として働きたい方向け】① なるためのとっておきの秘策HA”資格”
- 【救急隊として働きたい方向け】② 救急隊になりたいなら、まず消防採用試験に合格すること!
- まとめ:救急隊はしんどい…!【だけど人命を救う大切な仕事である】
救急隊の仕事でつらかったこと・大変だったこと5選
つらかったことや大変だったことをまとめると下記のようになります。
- 精神的プレッシャー
- 不適切利用者対応
- 病院連絡
- 夏の暑さ/冬の寒さ
- 消防と救急の温度差
それぞれ解説していきます。
救急隊員の仕事でつらかったこと/大変だったこと その① 精神的プレッシャー

精神的なプレッシャーを受ける場面は、救急隊をやっていると数多く経験します。
その中で、オーソドックスに精神的ストレスと感じたこと。それ以外に精神的プレッシャーを受けてイヤな想いをした経験をまとめました。
具体的な結論は以下のとおりです。
・命に関わる救急現場
・自分の家族をイメージさせられる救急現場
・上司、先輩からのプレッシャー
順を追って解説していきます。
命に関わる救急現場

命に関わる救急現場を経験するような場面に遭遇することも頻度は少ないですがあります。
個人差はありますが、その際に受ける精神的ショック。これが大きすぎてトラウマになってしまうことはよくあります。
これをPTSDと呼びます。
PTSD
別名:心的外傷後ストレス障害、外傷後ストレス障害
https://www.weblio.jp/content/PTSD
英語:Post Traumatic Stress Disorder
事故や事件に遭遇するなどして心に受けた強い衝撃が、いわゆるトラウマとなり、後の日常生活においても後遺症のように心身の不調をはじめとする症状をもたらすこと。および、そうした症状のこと。心的外傷(トラウマ)を持った後にその影響が持続的にあらわれる状態。
なぜPTSDのような状態に陥ってしまうのかというと、“悲惨“と表現されるような場面をみなくてはいけないからです。
そして、みるだけでなく観察をする必要もあり、生々しい感触が手に残ります。
1つのエピソードとして交通事故があります。
中型バイクとトラックの交通事故でした。
中型バイクの運転手と乗用車の運転手ともにケガをしているとの指令内容です。
現着時の状況は、交差点の中央にバイクとともに横たわっている傷病者と、立位でいる乗用車の運転手を発見しました。
バイク運転手の救護にあたることにし、バックボードやストレッチャーなど搬出資機材の準備を行います。
バイク運転手は興奮状態(不穏とも最初は思いました)。
転倒して地面に接触したことでできた熱傷が右側胸部、側腹部、右上肢に認められて出血していました。
頭部はヘルメットをしていたため主だった外傷はありません。
興奮状態で

「触るな!どけ!」
と暴言を言い放ちながら殴る、蹴るといった状態で、救急隊も何発か殴られる始末…
傷病者の返り血を浴びながら、観察とバイタルサイン測定を実施しました。
そうしていたら、どんどん意識の状態が悪くなっていきます。
数分後にはCPA状態となってしまいました。
結果、救命センター搬送しましたが命を救うことはできませんでした。
その時に隊員だった人物は、事故の場面と、傷病者を救いたかったが力が足りなかったことが脳裏に残ることに…

「このような経験は救急隊をやっていると誰しもが経験します。
しかし、それをどのようにして消化していくのかが重要でして、さまざまな心のケアを実施しています。
ただし、人によって受け取り方は異なるため“必ずよくなる“というものではありません。」
具体的には、
- デフュージングの実施
- デブリーフィングの実施
デフュージング
事故・災害の直後またはできるだけ早い時機にお互いの会話を通してストレスを解消・発散するための手法の一つである。デフュージング(defusing)は、災害後のできるだけ早い段階で実施する。事故や災害などの突然の緊急事態に直面した人が過度の自責の念などにとらわれる前に、自分たちの体験を語り合うことによって、感情を共有し、状況を客観的に見られるようにすることで外傷後ストレス障害(PTSD)を予防するための手法である。
組織的なストレス・マネジメントのための活動として有効と考えられている。 デフュージングより、さらに本格的な心のケアの手法がデブリーフィングである。
https://www.weblio.jp/content/デフュージング
デブリーフィング
デフュージングよりさらに本格的な心のケアの手法がデブリーフィング(debriefing)であり、ピア・サポート要員を中心として、心理・精神保健の専門家を交えて行う。
デブリーフィングは、大きな心的衝撃を受けるような現場に出動した場合には有効であるが、小さな心的衝撃の緩和には適さないと考えられている。
参加メンバーは、同じ災害現場に派遣され、同程度の心的衝撃を受けた人になり、デブリーフィングの場では、時間をかけてお互いの感情を吐露することで、「あの時、こう感じたのは自分だけではなかった」と感情を共有し、ストレスの発散、孤独感の軽減、グループの絆を深めることが重要である。
実施時期は、災害から1日ないし3日以内が最適といわれているが、この時間にとらわれる必要はなく、事態が終息した後、自分自身の考えを少し整理できた頃が最適と考えられている。
https://www.weblio.jp/content/デブリーフィング
それでも経過がよくない場合、精神科など専門医を受診/相談する。
悲惨な場面に遭遇した時に、人それぞれで受けとめ方は異なります。
ですので、PTSDを受けるような場面に遭遇することもあるのが救急です。
自分の家族をイメージさせられる救急現場

人それぞれで家族構成が異なるのは救急隊員も同じです。
もし、自分の境遇と近い状況の傷病者と合ってしまった場合、受ける衝撃は大きなものになります。
なぜなら、自分の家族と重ねてみてしまうからです。
“もし自分の家族がこんな目に遭ってしまったら…”。そう考えると、胸が痛みます。
ここでは、妻子持ち(妻と小さな子ども)をもつ救急隊員が経験した内容を話します。
その救急隊員が遭遇した内容は、
朝、交通事故があったと指令内容を受けて出動しました。
自転車と乗用車の交通事故です。
自転車は大破しており、幼稚園まで送り届ける途中の母子が被害者でした。
現場に到着した時には、負傷者の父親も到着していました。
搬送先も早期に決まったため父親同乗で救命センターへ向かいます。

「さっきまで一緒だったのに。なんで…」
その言葉がわたしの頭に残りました。
もし、自分の家族が同じ事故に遭っていたら…わたしは平然と対応できていたであろうか…
救急現場では惨劇と呼ばれる現場へ出動しなくてはいけません。
ただ、それにプラスして自分の家族と照らし合わす場面となると、より一層、気持ちが入ってしまいます。

気持ちが入ることが悪いことではありません。ただ、あまりにも過剰に入り込んでしまうと尾を引くのも事実です。
ですので、
- 自分の境遇と近い状況の傷病者と遭ってしまうこともあること
- 自生活と照らしてあわせて事案をみてしまうことで、
- 受ける衝撃は大きなものになること
こういったこともあることは認識しておきましょう。
上司、先輩からのプレッシャー

上司、先輩から救急隊員なりたての頃はプレッシャーを受けます。

「これが非常に嫌でした。」
これが原因で救急がきらいになってしまったという消防士も多くいます。
なぜなら、先輩や上司は自分の思うような期待を押し付けてくるからです!

「最初は先輩や上司の期待に応えようと動いていましたが違っていました。
これは単なる先輩や上司の自己満足であることを!」
例えば…
「自分の思い通りに動いてくれない後輩に対して帰署後にねちねち言われる」ことです。

「どうして、交通事故現場にネックカラーを持ってきていないんだ💢」

「すみません…。
入って間もないのにわからないよ…
教えてもらったこともないし…」
教えてもいないことを押しつけてくるケースです。

「救急隊に乗りたてでも自分が知っていて後輩が知らないことに対して、”救急隊に乗るなら常識でしょう“と自分の常識を押しつけるタイプです。」
もちろん知っていたらいいですが、最初は現場の常識って知らない救急隊員だっています。
押しつけがハードになると人格否定に発展する可能性もあります。
こういった人の気持ちを考えない先輩や上司に精神的なプレッシャーを受けてつぶれてしまう…
そういった救急隊員もいることを知っておきましょう。
救急隊員の仕事でつらかったこと/大変だったこと その② 不適切利用者対応
“不適切利用者“としてまとめせていただきましたが、救急要請をした理由はさまざまです。

「ここでは、わたしの知りうる中で、“不適切利用者”だと実感した事案を3case紹介します。」
case1 「生活保護受給者。タクシー代わりに救急要請する高齢男性。」


「生活保護受給者は、医療費が無料です。それを逆手にとって医療機関へかかるために救急車を呼ぶといった行為を行う人もいます。
タクシー代は支払う分を救急車を呼ぶことによって、病院へかかる交通費はこれで浮きますからね。」

「わたしが経験した人の話です。
この傷病者は一人暮らししており、身寄りもいない方です。
いわゆる救急多回利用者です。」
この傷病者の主訴は、“胸が苦しい”です。
ただ心電図モニターや12誘導心電図で測定してみても異常なし。病院へ行って検査を行ったが確定診断はつかなかった。
こういう背景のある方です。

「こういう背景があり、“胸が苦しい”という訴えの中で病院搬送を行うことが救急隊には求められます。」
ですので、基本的には搬送しているのですが、この傷病者の本性がみられるのは、“救急要請するタイミング”です。
救急要請するタイミングは、いつも病院受診日なのです。
狙ってやっているとしか思えないタイミングです。受診日の朝には8割以上の確率で要請してきます。
本人からも、“救急車で連れていってほしい“と強く主張してくるのです。
ですので、
こういったタクシー代わりの救急要請をする傷病者もいます!
そして、その救急要請のために救急車は現場へ向かうのです😞
case2 「不定愁訴の高齢女性。動悸・胸痛を訴えている」

次は、不定愁訴を訴える高齢女性です。
元々は、動悸や胸痛を訴えて昼夜問わず救急要請していました。
問題は、救急要請する頻度です。日に2、3回呼ぶこともあります。
なぜ、こうなってしまったのか明白な理由はわかりませんが、
とにかく心配性なのです。

「胸が苦しいけど、足も痛い。喉の奥に違和感があるの。あとね・・・」
話が二転三転するのが特徴です。

「こういった訴えであるため、病院の受け入れが決まりません。」
・胸痛や動悸などを訴えているため循環器病院へ連絡したケース

「その人はよく呼んでいる人だな。こちらでも、検査しようがないし、精神的な要因が強いんだよな…。
精神科へ掛かってほしいから、そっちへ連絡してもらおう」
こういった理由で断られるケースもあります。
・不定愁訴を重視!搬送先を精神科や内科へシフトして連絡したケース

「いろいろな訴えがあってメンタルが関係しているかもしれないわ。でも、胸痛や動悸の訴えがあると循環器へ行ってもらった方がいいわね。
救急隊に循環器の病院へ行くよう伝えて」
このように病院の思惑に板挟みとなって、病院が決まらない状態になりがちなのです。
そして、“主訴”としては見逃してはいけない訴えですが、その内容は精神科受診をどうしても勧めたい内容…
こういったときには、本当に対応を苦慮しています。わたしは不適切利用者に認定してしまいました。
なぜなら、精神科領域に踏み込んでいるのに本人が自覚していないのですから。
ですので、不定愁訴を訴える傷病者の対応に苦慮しているのも救急隊が苦労するケースです!
case3 「自傷行為を繰り返す、未成年の女性」

次は、自傷行為を繰り返す未成年の女性です。
ここで傷病者が救急要請される理由が、“本人が救急要請していない“というのがポイントです。
なぜなら、
傷病者が自傷行為をして市内を歩いている
↓
心配した通行人が救急要請する
こういった流れで救急要請されるからです。
具体的な救急要請ケースとしては、
上記のような指令内容です。
左手首をリストカットした女性は、自殺したいのです。救護してほしいわけではありません。

「そのため、救急車を自分が呼んでいないので病院へ行かないと医療機関受診を拒否するケースもあります。」
不適切利用者として挙げていますが、本人がコントロールできない状態です。
周囲の家族や保護監督者と協力して、メンタルのフォローをするべきです。
とはいえ、
メンタルフォローが上手くいかないために自傷行為を繰り返しているのが現状ですが…
傷病者のことを、もう少し考察していきます。
自殺したいのは心の闇から救い出してほしいという気持ちがあるからです。この傷病者に対しての本当の救護行為は“心のケア”です。
そのために、
- 精神科を受診する
- 抱えている大きなストレスがあれば逃避する
など、何らかのアクションをしていかなければなりません。
不適切利用者として紹介してきましたが、精神疾患既往が背景にあって搬送に苦慮するケースは少なくありません!
救急隊員の仕事でつらかったこと/大変だったこと その③ 病院連絡

病院連絡では、看護師や医師に傷病者の情報を伝えていきます。
その中で、救急隊員と医師、看護師の中で優劣の関係が築かれてしまいます。
なぜかというのは以下の要因が関係しています。
- 救急隊と病院は「傷病者を受け入れてもらう」関係にある
- 救急隊の連絡に病院サイドは断ることができる(病院に直接、来院したら「診療の義務」があるため医師は診察しなくてはならない)

「ぶっちゃけ病院と救急隊員の関係は先輩と後輩になっているのです。
本来は、医師/看護師/救急隊員(救急救命士)の中で優劣はないのですが。」
「救急隊と病院との関係を深掘りした記事を読みたい」という方は別記事で解説しています。
>>【救急隊員のための病院連絡】病院連絡で学んだ医師に怒られないチェックリスト
救急隊員の仕事でつらかったこと/大変だったこと その④ 夏の暑さ/冬の寒さ


夏の暑さや冬の寒さは、普段の生活をしていても辛いですよね。
その中での救急活動です。カラダは酷使されます。
例えば、夏の日射しを受けた炎天下の交通事故現場です。
事故の状況を把握するため、動き回ると汗は滝のように出てきます。
それに救急車内でも決して涼しくありません。
それはなぜかというと、下記のようなことが挙げられます。
- 救急車内も夏の日差しを受けて、エアコンを作動しているのに涼しくならない
- 車内では複数の人がおり、その熱気で涼しくなりづらい環境

「こういった要因で救急車内でもすごく暑いです。」
消防士の熱中症対策について記事にまとめています。
また冬の寒さの場合もつらいです。
朝晩の寝起きに出動したときは過酷です。寒い中でカラダは布団から出たばかりで温かいのですが、
その分、外の外気がカラダに堪えます。
真冬に朝起きて、布団から出ないといけないことを思い浮かべてください。
すごくつらいですよね。
こういったつらい環境を救急隊は経験します。
そのために救急隊員は暑さ/寒さ対策をしなくてはいけません。
実際に一例を挙げると、
真冬の1月。深夜2時に救急要請。
ぬくぬくの布団からバッと飛び起きて、冬の寒空に出ていかなければならない。頭はボーッとするし、心臓もバクバクしている…
交通事故現場だった。
事故状況把握するために、車外で相手方から事故の話を聞く。
強い風が吹いているな…そういえば、今日は氷点下まで下がるのだったよな☃

「こういったケースです。”寒い”だけで精神的・肉体的疲労感は数倍UPします。
私が勤めていた地域は雪の降らない地域でしたが、積雪のある地域だと救急車の運転にも気を遣うし、寒さも一段と強いはず。」
そういった冬の寒さとも救急隊は戦っています!
救急隊員の仕事でつらかったこと/大変だったこと その⑤ 消防と救急の温度差



「消防と救急の温度差というのは、わたしの消防署生活の中で実感したことです。
救急隊の経験から、消防というのは救急を重視していません。
例えば、
署での対応 | |
救急・救助出動のため他署から人員を借りる/他署の消防に対応してもらう | × 許されない |
救急は管轄外の救急車がきて対応 | ⚪︎ 普通にありえる |
消防と救急の対応の現状として平気で上記のようなことが起こっています。
もちろん、救急出動件数と火災や救助出動件数は、件数の多さは大きく差が生じています。
救急は“管轄所署だけではまかないきれない“というのが現状で、致し方ないかもしれません。
また出動が多い分、アクシデント(トラブル)に遭遇する頻度も多いです。

「何をやっているんだ!救急隊ばかり問題を起こして…」

「出動件数をみていただきたいと思う場面も多々ありました。
それよりも、問題を起こしたくないという気持ちが上司の方々には大きいのでしょう。」
といったように、わたしの肌感では救急より消防、救助隊の出動を重視されているように感じます。
これは救急あがりの人が上層部には少ないというのがひとつの原因でしょう。
人口20~30万都市の救急隊リアル【基本的なこと】

前提として、人口20〜30万都市での救急隊が行っている現場活動についてお話します。
具体的には、
- 出動件数
- 休憩事情について
です。
ひとつずつ解説していきます。
救急出動件数5~7件
救急出動件数は5〜7件です。
これは、人口に合わせた出動件数なので、だいたい同じような人口規模では、同じ位の出動件数かと思います。
もちろん多い時期は10件以上出動することもあります。
- 夏場の熱中症が多くなる時期
- 冬場、インフルエンザの流行る時期
これらの時期は、多くの出動をしなくてはならないです。
具体的な件数は8〜10件ほどです。

「この時期は、一夜寝られずに過ごすこともあります。」
こういった形で、救急出動も季節性があり救急出動も増減しますが、年間平均すると5〜7件です。
寝られない日もあるが毎当務ではない

救急で1当務するときの休憩事情です。
まず、睡眠に関しては、結論「寝られない日もあるが毎当務ではない」です。
なぜなら、出動はわたし達で選べないからです。
具体的には、
- 1日8件の出動があった
- case1→日中に7件。夜は1件。
case2→日中に3件。22時以降に5件。
こういったように1日のトータル件数と、いつ救急出動があったかは、読めないものです。
「日中に3件。22時以降に5件。」では、一睡もできずに1当務終了した可能性があります。
ですので、毎当務一睡もできずに終了するということはありません。
食事は時間どおり摂れないことも茶飯事

次に、食事はちゃんと摂れるのかについてです。
食事に関しては、時間どおり摂れないことはよく発生します。
これはタイミングの問題なのですが、よく起こります。
食事中にものを喉に詰まらせてしまうなど誤嚥が発生しやすいのか、はっきりした理由はわかりません。
ただ、食事を通常時間(12〜13時)に摂れないケースは救急隊をやっていたら、発生します。
具体的には、
- 食事中に救急要請というケース
- 病院引き揚げ中に救急要請を受けるケース
こういった時は食事時間など関係なく救急出動しています。

「食事時間が設けられない時は、下記のような工夫をしている話も聞いています。」
- 病院待機中に救急車で軽食を摂る
- 救急車にお弁当を持参する
- 昼食が摂れず14時以降に帰署した場合、出動順位(最後尾へ)を変更する

「救急も体力勝負!カラダが資本です!」
ですので、食事が毎当務時間どおり摂れないこともあります。
救急隊は、工夫をして食事が摂れるようにしています。
【番外編】仕事以外の救急隊ストレス

「現役で救急隊員をしている人から得られた情報を参考にしています。」
仕事明けは家事・育児に奔走している30代救急隊員の話
「仕事でほとんど寝られず帰ってきても家事・買い物・育児をし続けている…」

「こういった方は下記のような状況にあるといえます。」
- 仕事でいくら出動しても、帰ってきてから子どもの面倒をみなければならない。
- →寝たいけど休めない。
- 24時間勤務の仕事明けには、家事を率先してしなければならない。
- →しんどい。
大人は仕事だけやっていていいわけではありません。
昔と違い、夫婦共働きの家庭が多く増えています。
ですので、
仕事だけ行っていればいいというわけにはいかないことを理解しておきましょう。
【HOTなストレス】感染リスク
「感染リスク」は、これまでも救急隊員の危険として認知されてきました。
ところが、
現状として感染防止策を行い傷病者と接触する
病院収容後に使用資機材の消毒する
帰署後に手洗いする
こういったことは、一般的な感染防止対策は、ストレスにはなりませんが、
今回、新型コロナウイルスでは、この「感染防止」について、対策が講じられました。
そのため、救急隊として新型コロナウイルス対策に奔走しました。
その話は別記事で紹介しています。

「家族のいる救急隊員は、家族にウイルスをうつさない対策を行うなど気を遣う部分が多くなりますよね。」
そういったみえない敵に対する負担も大きくなって、ストレスが増加しているのが現状です。
じゃあ、救急隊員として働いているメリットは?

ここまで、救急隊のつらい部分ばかりフォーカスして紹介してきました。
ただ、それだけではない良い部分もあります。
それは、人を救うという経験ができるということです。
具体的には、
- 命に関わる救急現場において傷病者を救うために仕事ができること
- 消防や救助隊と比較して、現場経験を豊富に行えて、実践力が身につくこと
です。
もちろん軽傷が9割というのも事実です。
そんな中でも一握りの傷病者は救命が必要です。
そのために準備し、トライし続けていくことが求められています。
そこを頑張れるかです。
救急隊員の多くは救急救命士です。
▼救急隊員として働く救急救命士のやりがいを記事にまとめました。
→ 救急救命士のやりがいって何?現役救急救命士が解説します!
【救急隊として働きたい方向け】① なるためのとっておきの秘策HA”資格”
救急隊のつらい話聞いたけど…救急隊として働いてみたい!
こう思ったあなたに、救急隊として働くのに「救急救命士資格」を取得することをおすすめします。
なぜなら、救急隊を編成する際、救急救命士資格をもっている救急隊員が乗務するのが、スタンダードになっているからです。
「救急車1台に1名は救急救命士を必ず乗車させる」と方針を決めている消防本部も多いです。
消防庁では、救急業務の高度化に伴い、全ての救急隊に救急救命士が少なくとも1人配置される体制を目標に、救急救命士の養成と運用体制の整備を推進している。
令和元年版 消防白書
平成31年4月1日現在、救急救命士を運用している消防本部は、全国726消防本部のうち725本部で、その運用率は99.9%(前年99.9%)である。救急救命士を運用している救急隊数は、全国の救急隊5,215隊のうち99.3%(前年比0.2ポイント増)に当たる5,178隊(同46隊増)となっており、年々増加している。また、救急救命士の資格を有する消防職員は3万8,388人(同1,245人増)となっているが、このうち2万7,387人(同806人増)が救急救命士として運用されており、年々着実に増加している。

救急救命士に興味を持つ方がいるなら下記の記事を参考にしてください。
→ 予算の少ない人でも取り組める学費の安い救急救命士学校ランキング
【救急隊として働きたい方向け】② 救急隊になりたいなら、まず消防採用試験に合格すること!
現状多くの救急隊は、地方自治体で働く地方公務員(消防士)が任務を任されています。
もちろん、地方自治体以外に民間救急が救急車を取り扱っています。徐々に仕事を請け負い、業務を行なっていますが、まだまだ少数…
詳しくは、下記の記事をご参考に▽
→ 【救急救命士の働く場所はどこ?】救急救命士の就職先を現役消防士が徹底解説
話は脱線しましたが、結論、救急隊は消防署から出動する救急車が大半です。
つまり、救急隊として働くのなら、消防署へ就職するのが最もオーソドックスかつなりやすい手段となります。
とはいえ、公務員採用試験を合格しなければならず、一筋縄ではいきません。
そこで、消防士になるための具体的なステップを下記の記事にまとめました。救急隊として働きたい方は、必読してほしい記事です。
→ 【消防士になる夢を現実に】消防士になるためには?3つの具体的ステップを紹介
まとめ:救急隊はしんどい…!【だけど人命を救う大切な仕事である】
救急隊はつらいことや大変なことが多いです。
とはいえ、救急はなくてはならない仕事です。
救急は、人々の生活へ密に関係してきます。
だからこそ、“人から求められている“のです。
(具体例)
- 死にたい気持ちで自傷行為をした。でも、両親が救急車を呼んでしまった…
- 生活保護受給者の高齢男性が病院へ行きたくて、救急車に連絡した
上記のように、例えそれがどんな理由であってもです。

「人が困っていることに関して、救急隊としてどこまでしてあげられるのか。
そこが救急隊の腕の見せどころでもあります!」
とはいえ、時間もかかりますし、精神的にもつらいのは事実です。
そこを認識してでも、救急隊を目指すのかはあなた次第です!
それを含めても救急隊を目指したい方へ


「救急隊がつらいことがあるのは分かった。でも、救急隊を目指したいのだ!」
そう考えられる人は、救急になってもやっていける可能性がすごく高いです。
それなら、救急隊になるために消防士合格を目指しましょう。
▼消防士になるのに知っておいてほしいことを実体験から記事にしています。
消防士を目指す上で、「あったら良かったな」と感じたおすすめ資格を5つ選びまとめました。
▼気になる方はこちらの記事を読んでください!
消防士になるために公務員試験通信講座や予備校を活用したいと考えている方は、ぜひ読んでみてください。あなたに合った通信講座・予備校が見つかるはずです。
→ 【消防士になるぞ!】現役消防士が選んだ公務員試験通信講座&予備校とは?
今、消防士をやっていて救急救命士を目指している方はこちらの記事を!
今回は以上です。
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