契約社員のメリットは?よかった3つの理由とデメリットの本音

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契約社員でよかった理由を解説
こんな人におすすめ
  • 契約社員のメリットとデメリットを知りたい
  • 「契約社員はデメリットしかない」と聞いて不安になっている
  • 契約社員から正社員を目指せるのか知りたい

契約社員のメリットは、正社員より入りやすい会社に、派遣ではなく直接雇用の社員として入れることです。一方で、ボーナスや雇用の安定では正社員に及ばず、「デメリットしかない」と感じる人がいるのも事実です。

私は紹介予定派遣から契約社員になり、3年かけて正社員になりました。この記事では、契約社員のメリットとデメリットを整理したうえで、実際に働いて「よかった」と思えた理由とつらかったことを正直に書きます。

  • 30代・元保育士。
  • ブラックな労働環境だった保育園から、派遣社員を経てホワイト企業の金融系OLへ転職。
  • 自身のキャリアチェンジの経験を活かし、特に「紹介予定派遣」を活用した転職方法を中心に、保育士の仕事やキャリアに悩む方へ向けて情報を発信しています。

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目次

契約社員とは?最初に押さえたい3つのルール

メリットとデメリットを比べる前に、契約社員がどんな働き方なのかを整理しておきます。ここを知っておくと、「デメリットしかない」と言われる理由も見えてきます。

押さえておきたいルールは3つです。どれも契約書に関わる話なので、今まさに契約社員として働いている人も確認してみてください。

契約社員とは?最初に押さえたい3つのルール
  • 契約社員は「期間の決まった直接雇用」
  • 1回の契約期間は原則3年まで
  • 通算5年を超えると「無期転換」を申し込める

契約社員は「期間の決まった直接雇用」

契約社員は、会社と期間を決めて労働契約を結ぶ働き方です。法律上は「有期雇用労働者」と呼ばれ、期間の定めがない正社員とはこの点が違います。

派遣社員と違うのは、働いている会社に直接雇われていることです。給料を払うのも、仕事の指示を出すのも、同じ会社になります。

契約社員正社員派遣社員
雇い主働いている会社働いている会社派遣会社
契約期間ありなしあり
仕事の指示働いている会社働いている会社派遣先の会社
正社員への道社内の登用制度—直接雇用されてから

正社員・派遣社員との違いをもっと詳しく知りたい方は、「契約社員に向いている人・向いていない人の違い」の記事で比べています。

1回の契約期間は原則3年まで

労働基準法では、1回の契約期間の上限を原則3年と定めています。実際には、6か月や1年の契約を更新しながら働く人が多くいます。

なお、高度な専門知識を持つ人や60歳以上の人については、上限を5年とする例外があります。

更新するかどうかは、契約のたびに会社と本人が決めます。「更新される前提」で働いていても、更新が約束されているわけではありません。

2024年4月からは、契約を結ぶときに更新の上限があるかどうかを、会社が明示することが義務になりました。何年まで更新できるのかは、契約書で確認できます。

更新の判断基準も、契約書に書かれていることが多い項目です。「業務量」「勤務成績」など、何を見て更新が決まるのかを知っておくと、日々の働き方の目安になります。

通算5年を超えると「無期転換」を申し込める

同じ会社で契約の更新が重なり、通算5年を超えると、本人が申し込めば期間の定めのない契約に変えられます。これを無期転換ルールといいます。

注意したいのは、無期転換は「正社員になること」ではないという点です。契約期間がなくなるだけで、給料や賞与などの条件は原則として変わりません。

雇い止めの不安はなくなりますが、待遇を上げたいなら正社員登用を目指す必要があります。この違いは、後半の「契約社員になる前に確認したい5つのこと」でも触れます。

契約社員のメリット5つ

契約社員には、正社員にも派遣社員にもないメリットがあります。ここでは、実際に働いた人の声もまじえて5つ紹介します。

先に全体像を図にまとめました。メリットとデメリットは表裏の関係にあるので、両方を並べて見るとわかりやすくなります。

契約社員のメリット5つ(採用のハードルが低い、社員になれる、業務範囲がはっきりしている、転勤や異動が少なめ、正社員登用の道がある)と、デメリット4つ(更新されないことがある、ボーナスや退職金が少ない、手当や福利厚生に差が出やすい、住宅ローンの審査で不利になりやすい)を並べた図
契約社員のメリット5つ
  • ① 正社員より採用のハードルが低い
  • ② 派遣と違い、働く会社の「社員」になれる
  • ③ 業務範囲がはっきりしていて、残業が少なめ
  • ④ 転勤や異動が少なく、働き方を選びやすい
  • ⑤ 正社員登用という「次の道」がある

① 正社員より採用のハードルが低い

契約社員の求人は、正社員より経験やスキルの条件がゆるめに設定されていることがあります。そのため、未経験の職種や、正社員では入りにくい大手企業に入れることもあります。

大手企業の中には、特定の業務のために契約社員を採用しているところもあります。正社員採用では書類で落ちる会社にも、契約社員なら入れる可能性があるのです。

未経験の事務職を目指していたころ、私は何十社も落ちています。だからこそ、入り口が広いことのありがたさはよくわかります。

まず契約社員として入り、実務経験を積んでから正社員を目指す。いきなり正社員を狙うより、結果的に近道になる人もいます。

② 派遣と違い、働く会社の「社員」になれる

契約社員は、働いている会社に直接雇われます。派遣社員のように、雇い主と働く場所が分かれていません。

社員として扱われることで、任される仕事の幅が広がったり、社内の制度を使えたりします。会社の正社員登用制度を受けられるのも、直接雇用だからこそです。

派遣社員の場合、困ったことがあれば派遣会社の担当者を通して伝えます。契約社員なら、上司や人事に直接相談できるので、話が早く進みます。

2020年4月(中小企業は2021年4月)からは同一労働同一賃金のルールが始まり、正社員との不合理な待遇差は禁止されました。通勤手当や休憩室の利用などで、正社員と同じ扱いを受けられる場面も増えています。

③ 業務範囲がはっきりしていて、残業が少なめ

契約社員は、契約書で仕事の内容が決まっていることが多く、正社員より残業が少ない職場もあります。上の口コミの方は、正社員時代を「毎日9:30から夜の23時まで働かされて」いたと振り返っています。

ただし、残業の量は会社や部署によって大きく違います。契約社員だから必ず早く帰れる、というわけではない点には注意してください。

私の契約社員時代も、給料は残業30時間込みの金額でした。残業の少なさは、雇用形態より職場で決まると考えたほうが現実的です。

④ 転勤や異動が少なく、働き方を選びやすい

契約社員は、勤務地や仕事内容を決めて契約することが多く、転勤や大きな異動を求められにくい働き方です。育児や介護と両立したい人にとっては、これが大きな利点になります。

IT業界のように、正社員・契約社員・フリーランスが同じチームで働く職場もあります。上の口コミでは、正社員より高い時給で働く非正規のメンバーもいると紹介されていました。

雇用形態の名前より、自分のスキルと生活に合った契約を選べることに価値を感じる人もいます。

⑤ 正社員登用という「次の道」がある

契約社員から正社員になる方法のひとつが、会社の正社員登用制度です。外から正社員求人に応募するのと違い、それまでの働きぶりを見たうえで判断してもらえます。

厚生労働省の調査では、正社員以外の労働者から正社員への登用制度がある事業所は76%でした。制度のある会社を選べば、契約社員は正社員への入り口になります。

ただし、制度があっても、実際に登用されているとは限りません。この点は、後半のデータの章で詳しく見ていきます。

私が正社員になれたのも、この制度があったからです。詳しくは、後半の体験談でお伝えします。

契約社員のデメリット4つ|「デメリットしかない」と言われる理由

メリットがある一方で、契約社員には正社員と比べて不利な点もあります。「デメリットしかない」と言われるのは、次の4つが重なりやすいからです。

どれも、入ってから気づくと後悔につながりやすいものばかりです。私自身が感じたことも交えながら、ひとつずつ見ていきます。

契約社員のデメリット4つ|「デメリットしかない」と言われる理由
  • ① 契約が更新されないことがある
  • ② ボーナスや退職金が少ない、または出ない
  • ③ 手当や福利厚生に差が出やすい
  • ④ 住宅ローンなど、長期の審査で不利になりやすい

① 契約が更新されないことがある

契約社員は、契約期間が終わったときに更新されないことがあります。これを雇い止めといい、会社の業績や本人の評価によって起こります。

3回以上更新している場合や、1年を超えて働いている場合、会社は更新しないことを30日前までに予告しなければなりません。ただし、最初から更新しないと決めている契約は除かれます。

予告があっても、次の仕事を探す時間は長くありません。契約期間の終わりが近づいたら、更新の見込みを早めに上司に確認しておくと、慌てずに済みます。

私も契約の更新が近づくたびに、胸がきゅっとなりました。更新のたびに不安になるのは、契約社員でいちばん地味につらい部分です。

② ボーナスや退職金が少ない、または出ない

契約社員は、ボーナスが出ない、または正社員より少ないことが多くあります。退職金の制度がない会社も珍しくありません。

私の場合、ボーナスは寸志の数万円でした。月の給料は保育士のころより高かったのに、ボーナスの時期が来るたびに、正社員との差を思い知らされました。

同一労働同一賃金のルールでは、同じ仕事なのに理由なく賞与をゼロにすることは問題になりえます。待遇差の理由は、会社に説明を求めることができます。

退職金も、長く働くほど差が開く項目です。同じ会社で何年も働くつもりなら、契約社員に退職金の制度があるかどうかを早めに確認しておきましょう。

③ 手当や福利厚生に差が出やすい

住宅手当や家族手当などが、契約社員には支給されない会社もあります。社内の研修や制度の一部が、正社員だけの対象になっていることもあります。

一方で、社会保険は条件を満たせば雇用形態に関係なく加入します。健康診断も、一定の条件を満たす契約社員には会社が実施します。

求人票だけではわからない部分なので、面接や契約の前に、手当の対象かどうかを聞いておくことをおすすめします。

④ 住宅ローンなど、長期の審査で不利になりやすい

住宅ローンやクレジットカードの審査では、勤務先や年収に加えて雇用形態も見られることがあります。契約社員は、正社員より収入が安定していないと判断されやすい立場です。

金融機関によっては契約社員でも借りられる商品がありますが、条件が厳しくなることもあります。将来、家を買う予定がある人は、早めに確認しておくと安心です。

契約社員になってはいけない理由をさらに詳しく知りたい方は、経験者の目線でまとめたこちらの記事も参考にしてください。

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契約社員になってはいけない?やばいと言われる8つの理由【体験談】

【体験談】私が「契約社員でよかった」と思えた3つの理由

ここからは、私自身の話です。私は紹介予定派遣から契約社員になり、3年かけて正社員になりました。

2年目の社内選考には落ちていて、順調だったわけではありません。それでも、契約社員になってよかったと思える理由が3つあります。

【体験談】私が「契約社員でよかった」と思えた3つの理由
  • 1. 派遣ではなく「その会社の社員」になれた
  • 2. 正社員になるための「社内選考」を受けられた
  • 3. 事務の経験を、腰を据えて積む時間が取れた

1. 派遣ではなく「その会社の社員」になれた

直接雇用の話が出たとき、提示されたのは正社員ではなく契約社員でした。がっかりするかと思いましたが、実際は契約でも、派遣ではなくその会社の社員として働ける安心感のほうが大きかったです。

派遣のころは「派遣さん」と呼ばれ、自分の名前が透明になっていくような感覚がありました。休憩室にも、目に見えない壁があったのを覚えています。

契約社員になって、籍がその会社に移りました。雇用形態の名前は変わっても、自分もこの会社の一員だと思えるようになったのが、いちばんの変化です。

もちろん、正社員との待遇の差がなくなったわけではありません。それでも、同じ会社の人として仕事を任される安心感は、派遣のころにはなかったものでした。

2. 正社員になるための「社内選考」を受けられた

契約社員になって初めて、社内選考という道ができました。外から正社員求人に応募するのと違い、それまでの働きぶりを見てもらったうえで判断してもらえます。

私は2年目の社内選考に落ちました。落ちたことは隠さず、職場の人たちにも結構話しています。

3年目は、2年目より責任のある仕事が増えていました。面接ではそのことを話し、3年目で合格しています。

正社員になるまでには、グループ長だけでなく、先輩たちが仕事の合間に面談の練習をしてくれました。アピール文を添削してくれた先輩もいます。外からの転職なら、落ちた会社をもう一度受けることも、こうして助けてもらうこともなかったと思います。

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契約社員から正社員になった方法|今の会社に残るか転職かの見極め方

3. 事務の経験を、腰を据えて積む時間が取れた

保育士を辞めたとき、私はExcelも触ったことがありませんでした。MOSの勉強をして派遣で事務を始めたものの、経験はまだ浅いままでした。

契約社員の3年間は、同じ職場で腰を据えて仕事を覚える時間になりました。意識していたのは、与えられた仕事をひたすらこなすこと、自分で限界を決めないこと、上司が求める以上のものを出すことの3つです。

保育士時代に身についた、周りを見る力や察する力も役に立ちました。遠回りに見えた3年間は、正社員になるために社内で努力できた、価値のある時間だったと思っています。

すみ

契約社員の3年間は、遠回りに見えて、正社員になるための準備期間でした。
迷っている人は、まず今の会社に登用の実績があるかを確かめてみてください。

【体験談】それでも契約社員がつらかった3つのこと

よかったことばかりではありません。契約社員の3年間には、正直にみじめだと思った場面もありました。

良い面だけを見て決めてほしくないので、つらかったことも書いておきます。

【体験談】それでも契約社員がつらかった3つのこと
  • ボーナスの話に、愛想笑いしかできなかった
  • 契約更新のたびに、胸がきゅっとなった
  • 「契約だから、ここまででいいよ」と線を引かれた

ボーナスの話に、愛想笑いしかできなかった

いちばん悔しかったのは、ボーナスがないことでした。給料そのものは保育士のころより高かったので、月々の生活に困っていたわけではありません。

それでも、飲み会でボーナスの話になると、愛想笑いでやり過ごすしかありませんでした。私の手元に入るのは、寸志の数万円だったからです。

同じ職場で働いていても、ボーナスの時期が来るたびに立場の違いを突きつけられる。これは、契約社員になる前に知っておいてほしい現実です。

契約更新のたびに、胸がきゅっとなった

契約社員には、更新の時期があります。私は契約の更新が近づくたびに、心臓がきゅっとなるような感覚がありました。

更新されなかったら、また仕事探しから始めなければいけません。仕事に慣れて任されることが増えても、その不安は消えませんでした。

正社員になってからは、この不安がなくなりました。安心感が高まったことは、ボーナスがもらえるようになったことと同じくらい大きな変化です。

契約社員として働いている人は、更新の不安を一人で抱え込まないでください。上司に更新の見込みを聞くだけでも、気持ちはずいぶん楽になります。

「契約だから、ここまででいいよ」と線を引かれた

ある日、「すみさんは契約だから、ここまででいいよ」と言われたことがあります。気づかいのつもりの言葉だったのかもしれません。

それでも私には、「あなたはここまでの人」と言われたように聞こえました。やりたい気持ちがあっても、雇用形態で線を引かれてしまうのは悔しいものです。

契約社員をみじめだと感じた夜のことと、そこから正社員になるまでにやったことは、こちらの記事で詳しく書いています。

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契約社員がみじめで泣いた夜|正社員になるまでにやったこと【体験談】

データで見る|契約社員から正社員になれる会社はどれくらい?

契約社員を「よかった」で終わらせるには、正社員になれる会社かどうかが大切です。厚生労働省の調査から、登用制度の実態を見てみます。

数字を見ると、制度があるのに使われていない会社が意外と多いことがわかります。そして、その理由には、働く側が変えられるものも含まれていました。

厚生労働省の労働経済動向調査(令和6年2月)で、正社員登用制度がある事業所は76%、過去1年に登用実績がある事業所は50%、制度があるのに登用がなかった理由の最多は「応募がなかった」50%であることを示した図
データで見る|契約社員から正社員になれる会社はどれくらい?
  • 登用制度がある会社は76%、実際に登用したのは50%
  • 登用がなかった理由でいちばん多いのは「応募がなかった」

登用制度がある会社は76%、実際に登用したのは50%

厚生労働省の「労働経済動向調査(令和6年2月)」によると、正社員以外の労働者から正社員への登用制度がある事業所は76%でした。

一方で、制度の有無にかかわらず、過去1年間に実際に登用した実績がある事業所は50%です。制度があることと、実際に登用されていることは別だとわかります。

産業別に見ると、登用実績がある事業所がもっとも多かったのは「サービス業(他に分類されないもの)」で58%でした。業種によっても、登用のされやすさには差があります。

求人票に「正社員登用あり」と書かれていても、それだけで安心はできません。面接で「過去に何人が正社員になりましたか」と聞いてみると、実態が見えてきます。

参考:厚生労働省「労働経済動向調査(令和6年2月)の概況」(7 正社員以外の労働者から正社員への登用の状況)

登用がなかった理由でいちばん多いのは「応募がなかった」

同じ調査では、登用制度があるのに過去1年間に登用実績がなかった事業所に、その理由も聞いています。いちばん多かったのは「正社員以外の労働者から応募がなかった」で、50%でした。

会社の側は正社員を募集していた、または必要としていた(77%)のに、手を挙げる人がいなかったということです。登用は、待っていても始まらないことがわかる数字です。

正社員を目指すなら、制度があることを確かめたうえで、自分から手を挙げることが第一歩です。上司に「正社員を目指したい」と伝えておくだけでも、声がかかる可能性は変わります。

契約社員になる前に確認したい5つのこと

契約社員を選んで後悔しないためには、入る前の確認がいちばん効きます。契約書や面接で、次の5つを確かめておきましょう。

私は紹介予定派遣で直接雇用の条件を確認しないまま進み、提示されて初めて契約社員だと知りました。同じ遠回りをしないよう、聞きにくいことほど先に聞いてください。

契約社員になる前に確認したい5つのこと
  • ① 契約期間と、更新の上限があるか
  • ② 正社員登用の条件と、過去の実績
  • ③ ボーナス・手当・退職金の扱い
  • ④ 無期転換したあとの条件
  • ⑤ 紹介予定派遣なら、直接雇用後の雇用形態

① 契約期間と、更新の上限があるか

まず確認したいのは、1回の契約期間と、更新の上限があるかどうかです。「最長3年まで」のように、上限が決まっている契約もあります。

2024年4月からは、更新上限の有無と内容を、契約時に明示することが会社に義務づけられました。上限がある場合は、その先に正社員登用や無期転換の道があるかも聞いておきましょう。

② 正社員登用の条件と、過去の実績

登用制度がある場合は、受けられる条件を確認します。勤続年数や上司の推薦が必要な会社もあります。

あわせて、過去に何人が登用されたかも聞いてみてください。前の章で見たとおり、制度があっても実績がない会社は少なくありません。

聞きにくいと感じるかもしれませんが、この質問は正社員を目指したいという意思表示にもなります。遠慮せずに確かめてください。

私のように紹介予定派遣から契約社員になる場合は、派遣期間中に、派遣会社の担当者を通して聞いてもらう方法もあります。

③ ボーナス・手当・退職金の扱い

ボーナスや各種手当、退職金が契約社員にも出るのかは、会社によって大きく違います。求人票に書かれていないことも多い項目です。

月給だけを見て決めると、年収では思ったより低くなることがあります。月給ではなく年収で比べると、正社員との差がはっきり見えます。

私の契約社員時代の給料は、総支給で30万円ほどでした。ただし残業30時間込みの金額で、ボーナスは寸志です。月給の数字だけを見ていたら、この差には気づけませんでした。

④ 無期転換したあとの条件

同じ会社で長く働くつもりなら、無期転換したあとの条件も確認しておきましょう。2024年4月からは、無期転換を申し込める更新のときに、その機会と転換後の労働条件を明示することも義務になっています。

無期転換しても、給料や賞与は原則として変わりません。期間がなくなることと、正社員になることは別だと覚えておいてください。

会社によっては、無期転換した人向けに別の区分や待遇を用意していることもあります。就業規則や面談で、転換後にどう扱われるのかを聞いておくと安心です。

⑤ 紹介予定派遣なら、直接雇用後の雇用形態

紹介予定派遣から直接雇用に進む場合は、その先が正社員なのか契約社員なのかを必ず確認してください。私が提示されたのも、正社員ではなく契約社員でした。

当サイトで紹介予定派遣の求人票100件を調べたところ、23件は「直接雇用後は契約社員」と書かれていました。約4件に1件の割合です。

この情報は、求人票の「直接雇用後の条件」欄に最初から書かれています。応募する前に読んでおけば、提示されてから驚くことはありません。

※パーソルテンプスタッフの求人検索に掲載されていた紹介予定派遣の求人から、10都道府県×10件を抽出して集計(2026年9月18日)。1社の求人のみを対象とした調査です。

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紹介予定派遣とは?普通の派遣との違いを図解でわかりやすく解説

契約社員で「よかった」と思える人・後悔しやすい人

同じ契約社員でも、「よかった」と思える人と後悔する人がいます。違いは、契約社員の期間をどう使うかにあります。

ここまでのメリット・デメリットと私の体験をふまえて、どんな人が「よかった」と感じやすいのかを整理します。自分がどちらに近いかを考えながら読んでみてください。

契約社員で「よかった」と思える人・後悔しやすい人
  • 「よかった」と思えるのは、次の一歩の準備に使える人
  • 後悔しやすいのは、安定や昇給を今すぐ求める人

「よかった」と思えるのは、次の一歩の準備に使える人

契約社員でよかったと思える人は、今の働き方を「次の一歩のための期間」として使える人です。未経験の職種で経験を積みたい人や、登用制度のある会社で正社員を目指す人がこれにあたります。

  • 未経験の職種で、まず経験を積みたい人
  • 登用実績のある会社で、正社員を目指したい人
  • 働く時間や勤務地を限りたい人

育児や介護で働く時間を限りたい人にとっても、契約社員は選びやすい働き方です。自分で目的を決めて選んだ人ほど、あとから「よかった」と感じやすくなります。

私自身も、事務の経験がまだ浅い状態で契約社員になり、登用制度を使って正社員になりました。契約社員の期間を、次の一歩の準備に使った形です。

後悔しやすいのは、安定や昇給を今すぐ求める人

反対に、すぐに安定した収入や雇用がほしい人は、契約社員を選ぶと後悔しやすくなります。更新の不安やボーナスの差は、入ってから簡単には変えられないからです。

  • 雇用の安定をいちばんに考えたい人
  • 近いうちに住宅ローンを組みたい人
  • 管理職として昇進を目指したい人
「よかった」と思える人後悔しやすい人
契約社員を選ぶ目的経験を積む・正社員を目指す目的を決めずに入る
会社選び登用の実績を確かめている「登用あり」の表記だけで判断
お金の考え方年収で比べている月給だけで比べている
今後の予定数年以内に次の一歩を考えているすぐに安定や昇給がほしい

こうした人は、最初から正社員の求人を探したほうが遠回りになりません。未経験の職種に移りたいなら、働いてから直接雇用を目指せる紹介予定派遣という選択肢もあります。

自分がどちらに近いか迷う人は、こちらの記事で詳しく整理しています。

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正社員から契約社員に変わるか迷っている方には、こちらの記事が参考になります。

正社員から契約社員は逃げ?20代で知るべき給与と未来

契約社員のメリット・デメリットでよくある質問

最後に、契約社員のメリットとデメリットについて、よく聞かれる質問をまとめました。記事の中で触れた内容も、要点だけ短く答えています。

契約社員は何年働いたら正社員になれますか?

決まった年数はありません。登用制度の条件は会社ごとに違い、勤続年数や上司の推薦を条件にしている会社もあります。

私の場合は、契約社員になってから正社員になるまで3年かかり、2年目の社内選考には落ちています。年数よりも先に、制度と実績がある会社かどうかを確認してください。

契約社員でもボーナスはもらえますか?

会社によります。正社員と同じように支給する会社もあれば、寸志程度や支給なしの会社もあります。私は寸志の数万円でした。

同一労働同一賃金のルールにより、理由のない待遇差は認められません。差がある場合は、その理由の説明を会社に求めることができます。

契約社員と派遣社員は、どちらがいいですか?

正社員を目指すなら、働く会社に直接雇われる契約社員のほうが、社内の登用制度を使える分だけ近道になりやすいです。

一方で、いろいろな職場を経験したい人や、派遣会社のサポートを受けながら働きたい人には、派遣が合うこともあります。目的に合わせて選んでください。

契約社員から正社員になって、何が変わりましたか?

いちばん大きいのは、ボーナスがもらえるようになったことと、安心感が高まったことです。契約更新のたびに感じていた不安がなくなりました。

年収は、正社員になった最初の年が400万円ほどで、今は500万円ほどです。今は、在宅勤務もできる金融系の職場で働いています。

無期転換すれば、正社員と同じ待遇になりますか?

なりません。無期転換は契約期間がなくなるだけで、給料や賞与などの条件は原則として変わりません。

待遇を正社員と同じにしたい場合は、正社員登用や転職を目指す必要があります。無期転換と登用は、別の制度として考えてください。

まとめ|契約社員のメリットは「次の一歩に使える」こと

この記事では、契約社員のメリットとデメリットを、私自身の体験とあわせて整理してきました。最後に要点をまとめます。

契約社員のメリットは、正社員より入りやすい会社に、直接雇用の社員として入れることです。業務範囲がはっきりしていて働き方を選びやすく、正社員登用という次の道もあります。

一方で、更新の不安やボーナスの差など、正社員と比べて不利な点もあります。「デメリットしかない」と言われるのは、こうした差が毎日の生活や気持ちに直接響くからです。

私も、ボーナスの話に愛想笑いをした日や、更新のたびに胸がきゅっとなった日がありました。それでも、社員として働きながら社内選考を受けられたことで、3年かけて正社員になれています。

厚生労働省の調査では、登用制度がある事業所は76%でしたが、実際に登用したのは50%でした。そして、登用がなかった理由でいちばん多いのは「応募がなかった」です。

契約社員を「よかった」で終わらせられるかは、会社選びと、自分から手を挙げるかどうかで決まります。制度と実績を確かめたうえで、目的を持って選んでください。

今日できることは、今の会社か応募先に「正社員登用の実績」があるかを1つ確かめることです。それがわかるだけで、契約社員として過ごす時間の意味が変わります。

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