紹介予定派遣は「正社員になれるかもしれない」という期待から人気のある働き方のひとつです。しかし、実際に利用した人の声を聞いてみないと、その実態や本音は見えてきません。
今回、クラウドソーシングを通じて紹介予定派遣を利用した経験のある55名にアンケートを実施しました。本記事では、その調査結果から見えてきた満足度・不安・再利用意向などをデータとともに解説します。
項目 | 内容 |
---|---|
調査対象 | 紹介予定派遣の利用経験者 |
回答者数 | 55名 |
調査方法 | Webアンケート(Lancers) |
実施期間 | 2025年6月15日〜6月20日 |
回答者属性 | 男女ほぼ均等、20代〜40代以上まで幅広い年齢層 |
回答者の属性データ
回答者の属性データ
今回のアンケートには、紹介予定派遣の経験者55名にご協力いただきました。性別や年代、職種などの基本属性を分析することで、どのような人がこの制度を利用しているのか傾向が見えてきます。以下に、性別・年代・職種別の構成比を紹介します。
性別の割合
性別 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
女性 | 28人 | 51% |
男性 | 27人 | 49% |
合計 | 55人 | 100% |
女性28人(51%)、男性27人(49%)と、ほぼ半々の割合でした。性別による偏りは見られず、男女ともに紹介予定派遣を活用していることがわかります。
年代の構成比
年代 | 人数 | 構成比 |
---|---|---|
40代以上 | 23人 | 42% |
30代 | 20人 | 36% |
20代 | 12人 | 22% |
もっとも多かったのは40代以上で23人(42%)、次いで30代が20人(36%)、20代が12人(22%)でした。若手よりも中堅層・ベテラン層の利用も多く、紹介予定派遣が幅広い世代に利用されている実態が伺えます。
職種の傾向
職種では、事務職が26人ともっとも多く、全体の約47%を占めていました。営業・販売・製造などの職種も一定数おり、IT職種はやや少ない傾向です。以下の図は、職種別の構成比を棒グラフで示したものです。
職種 | 人数 | 構成比 |
---|---|---|
事務 | 26人 | 47% |
営業 | 7人 | 13% |
販売 | 5人 | 9% |
製造 | 5人 | 9% |
IT | 2人 | 4% |
その他 | 10人 | 18% |
「紹介予定派遣」を選んだ理由は?
紹介予定派遣を選んだ理由としてもっとも多かったのが、「正社員になれる可能性がある」でした(回答数:32人)。
また、「ミスマッチを防げる」「派遣期間で職場環境が分かる」などの実利的な意見も見られました。
- 「自分に合っているか判断してから入社できるのがよかった」
- 「正社員雇用のハードルが下がる気がした」
制度への満足度は「普通」が最多。理由は?
制度全体への満足度は以下のとおりです。
- 普通:24人
- 満足:14人
- 非常に満足:11人
- 不満:6人

多くの人が「可もなく不可もなく」という印象を持っていることが分かります。背景には「職場との相性」「紹介予定から正社員になれなかった」などのミスマッチもあるようです。
再び使いたい?「いいえ」が過半数
再利用意向の結果は以下の通りです。
- はい:25人(45%)
- いいえ:30人(55%)
- 「正社員になれず、派遣のまま契約終了した」
- 「紹介予定と聞いて期待したが、派遣先に正社員登用の実績がなかった」
- 「不透明な採用基準に不信感を持った」
紹介予定派遣のメリットと不安
アンケート調査からわかった紹介予定派遣のメリットと不安に思う点を紹介します。
利用者が感じたメリット
紹介予定派遣を利用した人たちは、次のようなメリットを感じています。

正社員登用のチャンスがある
「将来を見据えて働けることが一番の魅力」と語る声が多く見られました。
「正社員になれる道が開かれているのが大きかった。結果的に登用されて満足しています」(30代・女性・事務職)
職場を見極める時間がある
職場環境や人間関係を事前に確認できる点に安心感を覚える方も多いようです。
「実際に働いてみて、職場の雰囲気や上司との相性を確認できたのがよかった」(20代・男性・営業職)
派遣期間にスキルをアピールできる
期間中の働きぶりで評価を得られる点が、やりがいにつながっているという声もありました。
「派遣期間中に自分の仕事ぶりを見てもらえるのが安心材料でした」(40代・女性・事務職)
利用者が感じた不安
実際に働いてみてわかった「想定外」の出来事やリスクについても聞かれました。

実際に正社員になれるか分からない
「正社員登用あり」と書かれていても、実際は確約ではないことに不安を感じる人もいます。
「結局、正社員にはなれませんでした。最初から確約があるわけじゃないので不安でした」(30代・男性・製造業)
途中で契約終了するリスク
派遣期間中に契約終了となり、予定通りにいかないケースもあるようです。
「3ヶ月で派遣契約が打ち切られ、理由もよくわからずショックでした」(40代・女性・販売職)
「派遣の延長」と感じるケースも
正社員登用につながらなかったことで、モチベーションが下がったという声もありました。
「期待していた正社員登用が見送られて、“また派遣か…”というがっかり感がありました」(20代・女性・IT系)
まとめ|紹介予定派遣は「慎重な選択」が鍵
紹介予定派遣は、うまく活用すればキャリアのチャンスになります。ただし、制度への過度な期待や、企業とのミスマッチがあると「思っていたのと違った」という声も出てきます。
慎重に案件を見極め、契約内容や正社員登用の実績を事前に確認することが、納得のいく選択につながります。
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