非正規を終わらせる戦略|保育士1年で辞めた私が、正社員になるまでの全記録

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こんな人に向けて書きました
  • 派遣や契約社員で働いていて、この先どうなるのか不安
  • 保育士を辞めたいけれど、次の仕事が見つかるか怖い
  • 正社員を目指したいが、何から始めればいいかわからない

このような悩みを抱えていませんか。

私は保育士を1年で辞め、コンビニのアルバイトと派遣を経て、紹介予定派遣から契約社員、そして正社員になりました。正社員になるまでには3年かかり、社内選考には一度落ちています

この資料は、その遠回りの記録と、途中で知っておきたかった数字をまとめたものです。うまくいった話だけを書くつもりはありません。

すみ

保育士を辞めた日の私に読ませたい内容を、そのまま書きました。

この資料でわかること
  • 非正規のまま歳を重ねると、収入の差がどれだけ開くのか(公的データ)
  • 紹介予定派遣で正社員になれる人は、実際にどれくらいいるのか
  • 「正社員になれる確率41%」という数字が、なぜ間違いなのか
  • 私が3年かけて正社員になるまでに、実際にやったこと

契約更新のカレンダーに、印をつけたことはありますか

派遣や契約社員として働く人の多くが、頭の片隅に一枚のカレンダーを置いています。契約が切れる日までのカウントダウンです。

それは希望ではありません。いつ断ち切られるかわからない、という緊張そのものです。

私もそうでした。契約更新の時期が近づくたびに、心臓が少しだけきゅっとなる。あの感覚は、今でも覚えています。

私は保育士1年で、正社員という切符を手放した

私のキャリアは、保育士という正社員の仕事から始まりました。ところが現実は、想像とは違いました。

重すぎる責任、終わらないサービス残業、保護者対応のプレッシャー。「私が辞めたら周りに迷惑がかかる」という罪悪感が、私をその場に縛りつけていました。

心と体はSOSを出していました。仕事に行こうとすると動悸がする。理由もなく涙が出る。夜眠れない。最後は自律神経のバランスを崩し、ある朝、布団から起き上がれなくなりました

「石の上にも三年」という言葉は、ときに人を縛る呪いになります。私は1年で、そのレールから降りました。

手取り13万円。「お金がない」という恐怖が、自尊心を奪う

保育士時代の手取りは13万円台でした。実家暮らしだったので生活はできましたが、心にはいつも「お金がない」という感覚がありました。

友人からの旅行の誘いを、曖昧に笑ってごまかす。お金は、未来を守る盾であると同時に、今の自分を幸せにするチケットでもあります。あの頃の私には、そのどちらもありませんでした。

私を救ったのは、時給900円のコンビニのアルバイトだった

正社員を辞めたあと、私はコンビニでアルバイトを始めました。月の収入は10万円ほど。収入は半分以下になり、数十円のもやしを買うような生活でした。

それでも、この場所が私を立ち直らせてくれました。理由は3つあります。

救われた理由中身
「正社員」という重圧からの解放誰からも過度な期待をされず、等身大の自分でいられた
単純作業の力目の前の作業に集中することで、ネガティブな思考から強制的に引き離された
小さな成功体験「ありがとう」「仕事覚えるの早いね」。その一言が、乾いた心を潤してくれた

キャリアの回り道は、未来の自分を助けるための助走期間になることがあります

【データ】正社員との差は、年齢とともに開く

ここからは、感情ではなく数字の話をします。厚生労働省の調査による、女性の月あたりの賃金です。

年齢正社員・正職員正社員以外
20〜24歳23.6万円19.6万円4.0万円
30〜34歳28.2万円21.3万円6.9万円
40〜44歳30.8万円21.1万円9.7万円
50〜54歳32.4万円21.3万円11.1万円

(出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」第6-1表。所定内給与額、女性)

非正規の賃金は、年齢が上がってもほとんど増えません。20代前半で月4万円だった差は、40代前半で月9.7万円まで開きます

この差は毎月の給料だけでなく、ボーナス、昇給、退職金にも及びます。「いつかは」と考えているうちに、差は静かに広がっていきます。

未来を変える一手「紹介予定派遣」

派遣の不安定さを解消しながら正社員を目指す方法のひとつが、紹介予定派遣です。

段階内容
1. 登録派遣会社に登録し、紹介予定派遣の求人に応募する
2. 就業派遣スタッフとして働く(最長6か月)
3. 合意派遣先と本人の双方が合意する
4. 直接雇用派遣先に直接雇用される(正社員または契約社員)

働きながら職場を見極められること、先に仕事ぶりを見てもらえることが、この制度の強みです。私が選んだのも、正社員求人に応募して評価される自信がなかったからでした。

ただし、魔法の制度ではない

ここが、この資料でいちばん正確に書きたかった部分です。

調べたこと結果出典
紹介予定派遣で派遣された人のうち、直接雇用に至った割合54.4%(25,535人中13,881人)厚生労働省「令和6年度 労働者派遣事業報告」表9
そのうち「正社員」として直接雇用された割合約29%エン株式会社の調査(2026年8月発表)
求人票の段階で「直接雇用後は契約社員」と書かれていた割合23%当サイトによる求人票100件の調査(2026年9月)
経験者55人のうち「もう一度は使いたくない」と答えた割合55%当サイトによる独自アンケート(2025年6月・55名)

直接雇用は約2人に1人、そのうち正社員になれるのは約3割です。つまり、応募すれば正社員になれる制度ではありません。

お客様気分で受け身でいると、この制度は失敗します。評価されると同時に、こちらも職場を見極める期間だと考えてください。

壁を越えるために、私がやった3つのこと

やったこと中身
1. 武器を持つ未経験から事務職を目指すため、パソコンの資格を取った。「PCが使えます」という言葉に、客観的な証明を与えた
2. 壁を作らない「派遣だから」と線を引かず、挨拶や業務外の会話を心がけた。一緒に働く人として見てもらうため
3. 期待を超える指示された業務をこなすだけでなく、「もっとこうすれば効率化できるのでは」と提案した

特別なことはしていません。自分に限界を作らないこと、上司が求める線の少し外側まで出しておくこと。それを3年続けました。

そして私は、2年目の社内選考に落ちています。受かったのは3年目でした。選考の内容は面接だけで、評価されていたのは面接の受け答えではなく、それまでの働き方だったのだと思います。

私が「正社員になる」と決めた、本当の理由

直接雇用の意思確認の日、私は「今の派遣の働きやすさも捨てがたい」と正直に打ち明けました。そのとき派遣会社の担当者がかけてくれた一言が、迷いを消しました。

すみ

「もし将来、あなたに子どもが生まれたとき。『お母さんはね、人生で一度だけ、本気で頑張って正社員になったことがあるんだよ』って話してあげられる方が、素敵だと思いませんか?」

正社員になって手に入れた「自由」

派遣社員の頃、私は自分が自由だと思っていました。定時で帰れる、責任が少ない、嫌なら辞められる。

けれど正社員になって気づいたのは、まったく違う種類の自由でした。

種類中身
心の自由大型連休で出勤日が少なくても給料は変わらない。有給を使えば、収入を気にせず休める
仕事の自由指示待ちから、自分の裁量で仕事を進められる立場へ
時間の自由リモートワークができ、残業は月15時間以内。産休・育休も当たり前に取れた

本当の自由とは、何にも縛られないことではなく、自分の人生を自分の意思でコントロールできるという感覚でした。

レールから降りることは、終わりではない

大学を出て保育士になる。それが私の信じていた、たった一つの正しいレールでした。けれどその上で、私は息苦しさを感じていました。

一度レールから完全に降り、コンビニのアルバイトという場所に立ったからこそ、もう一度自分の足で歩き出すことができました。

自信を失っても、絶望しても、諦めずに行動すれば道は拓けます。レールから降りることは、人生の終わりではありません

すみ

遠回りに見える道のりも、あとから振り返ると一本の線につながっていました。

この記事のPDF版(保存用)

ここまでの内容を、図とグラフを入れた15ページのPDFにまとめました。メールアドレスは不要です。保存して読みたい方はどうぞ。

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    この資料で触れた数字は、それぞれ記事で詳しく解説しています。

    参考にした資料

    • 厚生労働省「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」表9
    • 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」第6-1表(雇用形態、性、年齢階級別賃金)
    • エン株式会社「紹介予定派遣に関する調査」(2026年8月発表)
    • 当サイト独自調査「紹介予定派遣の求人票100件」(2026年9月)
    • 当サイト独自調査「紹介予定派遣 経験者55名アンケート」(2025年6月・ランサーズ)

    ※掲載している数字は2026年9月時点のものです。